
副業と確定申告
副業でも年間所得20万円を超えると確定申告が必要
副業をしている人は、年間所得が20万円を超えると「確定申告」が必要になります。
ちなみに「所得=収入−経費」で、対象期間は前年の1月1日から12月31日ですので、副業を始めてから初めて確定申告の時期を迎える人は注意してください。
確定申告についての疑問点は、「国税庁」のホームページを閲覧する方法もありますが、不安な場合は、行政の税務相談に出向いて指導を受けるといいでしょう。
また、「医療費控除」は確定申告時に行いますので、副業所得が20万以下の場合でも通常の確定申告をしてください。
その場合、医療機関や薬局などでもらった領収書が必要になりますので、確認しておいてください。
確定申告書類の提出方法
在宅ワークをする人にとって、確定申告はすごく大切です。
毎年、2月の寒い時期になると、有名タレントやスポーツ選手が税務署を訪れて申告をしている姿がテレビに映し出されますね。
確定申告の書類は、税務署に出向き提出する方法の他に、自分で作成して税務署へ送ることもできます。
税務署へ送るのは「提出用」の用紙と「控用」の用紙もいっしょに送るといいです。
そのとき、自分の住所・氏名を書いた返信用の封筒に切手を貼って、同封することを忘れないでください。
税務署から、受付印を押した控えの用紙を返送してもらえます。
切手は82円分でも大丈夫とは思うけれど、念のため92円分貼るといいです。
切手代はかかるけれど、どうせなら控えの用紙に受付印があったほうが安心です。
また、自宅から確定申告ができるe-Taxというのもあります。
e-Taxを利用するには、電子証明書を取得し、ICカードリーダーを用意します。
白色申告と青色申告とは
「確定申告」の対象になるケースは、本業と副業の場合とでは違ってきます。
副業の場合は、副業年間所得が20万円を超えると確定申告の対象になりますが、本業の場合は、所得額関係なしに確定申告が必要です。
また、確定申告には「白色申告」と「青色申告」がありますが、副業での収入がまだ少ない人は「白色申告」を行う場合が多いです。
白色申告は平成26年1月以降の取引からは、帳簿の作成および帳簿等の保存が義務付けられました。
本業として独立して仕事をする場合は「個人事業主」になりますので、その場合は、いろいろと有利な「青色申告」がお勧めです。
「青色申告」をするには事前に管轄の税部署へ「所得税の青色申告承認申請書」を届け出が必要です。
青色申告は特別控除の金額が、単式簿記での申告だと『10万円』、複式簿記の場合は『65万円』となります。
65万円控除の複式簿記の「青色申告」のためには「貸借対照表」や「損益計算書」を含む書類を確定申告時に提出する義務があります。
そのかわり、赤字決算となった場合、その損失額を翌年から3年間控除対象にできるので有利です。
経費の領収書などは確定申告には添付しませんが、後日、税務署調査の対象になったときに提示義務がありますので保管しておきましょう。
「医療費控除」を申請するためには
サラリーマンなどの副業と確定申告について、必要性を見極める基準として年間所得が20万円を超えた場合というのは一般的に知られていることです。
その場合の「所得」という意味についても「収入−経費」ということを今一度確認しておきたいと思います。
ただし「所得」が20万円に満たない場合でも、「医療費控除」を受けるためには副業の確定申告をする必要があります。
「医療費控除」は、自主的に申請する性質のもので、前年末の「年末調整」にいっしょに申請できないことも覚えておくといいですね。
また「医療費控除」を申請すると、支払った医療費が戻ってくると勘違いする人もいますが、「所得税」や「住民税」の還付に反映される可能性があるというのが正解です。
「年末調整」の意味と対象にできるもの
サラリーマンの副業と確定申告の必要性に関連して、前年末の「年末調整」があります。
この「年末調整」のときに「生命保険料」や「地震保険料」なども控除の対象にすることができます。
特に「生命保険料」は「生命保険」と「個人年金保険」それぞれ別個に計算でき、合計すると上限10万円を控除対象にすることができるので節税対策としてもお得です。
また「年末調整」は、本業としての勤務先で得た収入に対してのみ行われるものです。
そのため、サラリーマンに本業以外の収入がある場合、つまり副業が確定申告の対象になるという意味も納得できると思います。
農村地帯に多い兼業農家のケースをみれば一連の流れがわかりますが、この場合も農業収入から農機具購入代金などが経費として差し引かれます。
確定申告のためのお金の管理
サラリーマンの場合、自分でお金を管理することはほとんどありません。毎月の給料はもちろん、残業手当など諸々の手当てや社会保険料などの計算は、全て会社の経理担当者が代行してくれます。しかし副業を始めたらきちんとお金の管理を自分でするようにしましょう。
自分でお金を管理することは最初は大変ですが、きちんと帳簿をつけ、副業のために購入したもののレシートはちゃんと保管しましょう。
日頃からきちんと帳簿をつけてお金を管理しておけば、予期せぬ金銭絡みのトラブルがあったとき、問題解決のためにも役立つのです。
また経費削減のためにもお金の管理は必要です。
複式簿記とは
サラリーマンの方で副業をしている人は確定申告は「白色申告」がほとんどだと思いますが、将来、起業独立をした時は「青色申告」をするので、「複式簿記」を修得しておくとよいでしょう。
「複式簿記」のば基本的な帳簿管理は「商業簿記3級」くらいのレベルがあれ可能です。
複式簿記は「青色申告」に必要な「貸借対照表」や「損益計算書」を作成する資料になります。
また、月末ごとに「残高試算表」を作成しておくと日常の取引を把握するにも便利です。
確定申告のために
サラリーマンで副業をしている方で、副業収入から必要経費を差し引いた金額、年間所得が20万円を超える場合は、確定申告をする必要があります。
それ以外にも、医療費控除を受ける場合は、年間所得20万円以下でも申告が必要になります。
このように、副業をはじめると税金の面でも分からない事が諸々でてくると思いますが、「この場合は?」と疑問に思うときは、役所の税務課や管轄内の税務署に照会してください。
将来、副業で独立する場合もありますので、その場合、「青色申告」をするので、その時の為に、副業用の口座を用意しましょう。
サラリーマンの副業の確定申告は「白色申告」が一般ですので、提出する用紙もそれほど難しいものではありません。
しかし、将来独立することも視野に入れ、「青色申告」をするために「複式簿記」を修得するようにしましょう。
お金の管理はきちんとしておきたい
確定申告と副業(サイドビジネス)に関して、日常の生活態度の必要性についてお話したことがありますが、それに関して、ひとつエピソードをご紹介しましょう。
ある人は、本業のかたわら新聞配達をしていますが、その集金方法に問題があるのです。
とにかく、いい加減なので「半月遅れは当たり前」で、集金を待つ側にとっては、いつもストレス源になってしまいます。
本来、納めるべき金額は集金人の立替えになると思いますが、それ以上に、自分でお金を都合よくコントロールしているのでは?との不信感につながります。
確定申告と副業(サイドビジネス)が結びつくのは、年間所得20万円がネックになりますが、なんらかの副収入をしている人は、お金の管理はきちんとしておきたいですね。
在宅ワークの必要経費
生活費の一部を「費用」として計上することが可能
副業で確定申告の対象になるのは、年間所得が20万円を超えた場合というのは一般的に知られていることです。
この「年間所得」を抑えるためのポイントとして、費用の捻出があります。
収益をあげるためには、できるだけ節約をして無駄を省くことが大切ですが、目に見えない支出のなかで、費用計上の取りこぼしがあるのは、なんとももったいない話です。
副業(サイドビジネス)で確定申告をする場合、副収入を得るための拠点を自宅にしているときは、生活費の一部を「費用」として計上することが可能です。
たとえば、仕事に使っている割合を生活費と按分することで、電気代を「光熱費」に、電話やインターネットに掛かる料金を「通信費」にできるのです。
必要経費のレシートは保管する
「確定申告」の時期が近づくと、税務署から、申告に必要な書類一式と、その書き方を説明した「虎の巻」が送られてきます。
初めて申告する人は、必要書類を役所の税務担当窓口でもらってください。
また、申告の時期になると自治体の税務相談窓口がありますから、申告の方法が分からない人は必要な書類を揃えて相談に行ったほうが確実です。
在宅ワークを副業とする場合「収入金額」といっしょに「必要経費」を合わせて申告することが大切なのです。
ここでは、そのことをもう少し簡単なことばで説明します。
在宅ワークは、自分の家が事務所になります。
事務所には、電話、パソコン、FAXなどいろいろな機器がありますが、最低限でも「事務用品」を必要経費としましょう。
副業に使用したプリンターインク、コピー用なども必要経費になります。
また、ボールペンやセロテープなどは100円ショップのもので十分ですが、それもレシートを残しておくと必要経費になります。
あと、郵便や簡易小包などの費用も経費扱いができます。
それらの費用を合計して「確定申告」の用紙に記入するようにします。
つまり「収入金額」−「必要経費等」=「差引金額」、それが「所得」になるのです。
また、既に「源泉徴収」されている金額があったら、それを忘れずに記入してください。
帳簿管理をする習慣をつける
「確定申告」ということばを聞いただけでも頭が痛くなるのに、「収入金額」「必要経費」「所得」「源泉徴収額」……
という聞きなれない言葉ばかりだと混乱してしまいそうですが、何度か繰り返していくに直ぐにわかるようになります。
前にもお話しましたが「源泉徴収額」の記入欄がありますので、既に税金が引かれている人は忘れずに書いてください。
確定申告が終わると、源泉徴収額が還付される場合が多いのです。
この「還付金」の振込先金融機関や口座番号・口座名義を書く欄もありますので、忘れないように記入します。
確定申告には「基礎控除」38万円のほかに、「医療費控除」「社会保険料控除」「生命保険料控除」などがあります。
控除を受けるためには、医療費の領収書や支払った保険料の証明書などを添付する必要がありますから、確定申告に使えそうだと思うものは保管しておきます。
話が前後しますが、在宅ワークを副業にする場合、事務用品の購入代金や郵便料金などが「必要経費」として認めてもらえます。
そのためには、レシートを残しておくことはもちろんですが、副業のための貯金口座をつくることをお勧めします。
副業に使うお金も家計とは分けて管理しましょう。
自分で帳簿をつくってお金の流れをきちんと把握するようにするとよいでしょう。
在宅ワーク、副業といっても、将来、本業になる可能性があります。
そのときに備えて帳簿管理をする習慣をつけておくと、後できっと役に立ちます。
税務調査を受ける可能性がある
確定申告後、税務調査を受ける可能性があります。
収入の計上漏れがある場合や、経費計上に必要な書類の不備がある場合などは「修正申告」を言い渡され、所得税の追徴がなされます。
有名人や企業の脱税が報じられることがありますが、それが修正申告にあたるのです。
サイドビジネス初心者の場合も、確定申告漏れがないか、書類不備がないかなどに十分注意しましょう。
「社会人として信頼される人」になれるように
確定申告と副業(サイドビジネス)のテーマとは少し違いますが、自営業の場合、所得を都合のいいように精査していると誤解されることもあります。
というのは、サラリーマンの場合、所得税は給与から天引きされますが、自営業者の場合は、自主的に申告することで所得税額が決まるからです。
もちろん、そのために必要な領収書やレシートには正当な理由が必要ですので、本来は、所得をコントロールすることは不可能です。
ところが、ふだんから約束を守らない、金銭管理がいい加減などという人は、すべてにおいて誤解される可能性もあります。
ですから、確定申告と副業(サイドビジネス)云々を論じる以前に、「社会人として信頼される人」になれるようにしておきましょう。